世界中のどんな文化にも、花を贈る習慣というものが根付いています。今回は、世界各国のお花をプレゼントする習慣とどのようなギフトを贈るかをまとめてみました。

1. フランス「幸せを運ぶスズランの日」

世界中のフラワーギフトについて
5月1日、フランスはメーデーと呼ばれる労働者ための祝日であると同時に、 すずらんの花を愛する人に贈る日でもあります。これは古くからの習慣で、由来は1561年5月1日に当時のフランス王シャルル9世がすずらんの花をプレゼントされ、それをお気に召したのがきっかけなのだそうです。繊細で可憐なすずらんの花言葉は「幸せの再来」 。現代のフランスでは5月1日に家族やお世話になっている人、愛する人にすずらんを贈る習慣となって残り、プレゼントされた人には幸せが訪れると言われています。5月1日のフランスは、街中がすずらんの花を売る人たちで溢れます。なんとこの日だけは、一般の人も年齢を問わず好きな場所ですずらんを売っていいそうです!街では子供達が手売りでスズランを売る可愛らしい姿も見られますよ。

2. 中国「親しい友人に贈る菊の花」

日本では、一般的に菊の花は仏花とされており、めでたい席や人に贈るにはふさわしい花ではないとされています。しかしながら中国では、菊の花ははるか古来より親しい友人に贈る花とされています。古代中国の時代から、菊の花は文人や君子の愛する花とされていました。秋になると各地で菊の花が満開となり、中国の文人たちは菊の花を愛でながら詩を詠み、酒を飲んで月を眺めたのです。中国では風情のある、気のおけない友人に贈る花として定着したのですね。

3. ペルシャ「チューリップに誓う永遠の愛」

日本でも愛されるチューリップ、今は様々な園芸種がありますが、もともとの原産地はトルコです。名前の由来も、トルコ人が頭に巻いていたチュリパ(ターバン)と似ていたというところから来ているらしいです。そんなトルコを含む、今でいうイランやイラクのあたりを総称してペルシャと呼ぶことがありますが、この一帯ではプロポーズの際に女性に贈る花として、真っ赤なチューリップを贈る習慣があります。

4. イタリア「女性に感謝と愛を伝えるミモザの日」

3月8日は「国際女性デー」という1975年に国際連合によって定められた記念日です。労働条件の改善などをもとめるニューヨークの女性のデモがきっかけで成立した記念日で、世界各国で様々な集会やイベントも行われます。そして同時に、この日はイタリアでは男性が女性にミモザの花を贈る日でもあるのです。ちょうどシーズンを迎える黄色いミモザの花を、日頃の感謝や愛を込めて男性から女性に送ります。恋人だけでなく、お母さんやおばあちゃんにも。そして女性たちはこの日は家事から解放され、女性同士でディナーを楽しんだりするそうです。この時期のイタリアに行くと、街のあちこちでミモザが売られているのを見ることができます。街中が鮮やかな黄色に溢れ、とっても素敵な景色が楽しめますよ。